独立までの話

【第三話】初めてお客さんから「ありがとう」と言われた日までの話

信用、握手、ありがとう

配属された時、北海道はすでに秋が深まり少し冬の気配がしていた。

そんな季節を感じながらやっていけるかという不安と新しい土地でのワクワク感が自分の感情を何度も交差した。

今回は僕が初めて仕事でお客さんに「ありがとう」と言われた日まで話をしていきたいと思う。

歩き回って飛び込み営業をした日々

会社の営業部には大きく分けて3つの部署があった。

  1. 法人営業部:製造業、食品業、宿泊業などの一般企業を相手に営業する
  2. 医療営業部:病院などの医療機関を相手に営業する
  3. 営業支援部:現場に出ている営業社員のトータル的なサポートをする

僕は北海道支店の「法人営業部」に配属された。

営業職の新入社員は全員、一度法人営業部に配属され適性を見極められる。

その後、法人営業部を続ける者、医療営業部や営業支援部に異動する者とに少しずつ分かれていく。(部署異動を希望して、上司との面談を経て異動する者もいる。)

 

さて、支店に配属されてからは”仕事を覚える”という勉強の日々が始まった。

社内での事務作業(見積や提案資料の作成方法)はもちろん、営業として客先での話し方やヒアリング方法、立ち振る舞いにいたるまで。

何をするのかわからない状態だったが、現場に出て初めてイメージをすることができた。

 

やはり、何事も”やってみる”ことは大切だ。

やることで疑問が生まれ、失敗し分析してできることを増やしていく。

その作業の繰り返しだ。

 

そんな日々に慣れてきた頃、僕はある”ミッション”が与えられた。

上司
上司
ゆうきくん。ウチの会社の施策のひとつに”顧客拡大”がある。そのために新規顧客の開拓をやってみてほしい。

 

一般的に法人営業が相手をする企業は2種類に分けられる。

  • 既存顧客企業:すでに取引があり、継続的に今後も取引を見込める企業。
  • 新規顧客企業:まだ一度も取引がなく、初めて取引を行う企業。

僕はこの新規顧客企業獲得のためにまずは仕事をすることとなった。

 

新規顧客獲得のための方法は至ってシンプルだった。

会社が作成した「新規顧客見込み企業リスト」に載っている所をしらみ潰しに飛び込み営業して行くのである。

リストには北海道にある200以上の企業が記されていた。

 

僕は企業という企業に飛び込み続けた。

 

だが、飛び込み営業は基本断られるのが当たり前である。

何回も何回も断られ続けた。時には辛辣な言葉を浴びながら…

相手企業
相手企業
ウチは決まった所と取引してるからオタクと取引することはないよ。時間のムダだよ!
相手企業
相手企業
こんなものがなんの役に立つのかね?

こうして断られ続けるとかなりしんどい。

 

なぜなら、自分のやっていることに意義が見出せなくなるからだ。

まるで誰からも必要とされていない感じになる。

 

ただ、そんな中でも親身に話を聞いてくれる会社もあった。

お客さん
お客さん
飛び込みは大変でしょう?ゆっくりでいいから話を聞かせてもらえるかな。

そんな言葉をかけてくれる会社があったからなんとか踏ん張ることができていた。

 

だが、話を聞いてもらえるからといって契約ができるかはまた別の話だ。

そうそう簡単には契約はできない。

当たり前だが、経験もない僕には目の前が大きな壁ができているようだった。

 

『契約なんて取れるのかな…』

成果が出ない日々にそう思い始めていた。

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お客さんから初めて「ありがとう」と言われた日

外はすっかり雪景色になっていた。

僕は変わらず“新規顧客の開拓”というミッションを続けていた。

200社以上あるリストの会社はすでに周り終り、今度は周った中で感触が良い企業、契約ができそうな企業をピックアップし再度訪問していた。

 

だが、状況は芳しくなく僕の中では閉塞感が漂っていた。

 

全国に散らばった営業の同期からは「初めて契約もらったよ〜」という連絡も来たりしていた。

『おめでとう…』とは言いつつも、どこか悔しさを感じている自分、焦っている自分がいた。

 

そんな時だった。何度か足を運んでいる会社から僕のもとに電話がやってきた。

お客さん
お客さん
ゆうきさん、パソコンの見積もりを貰えないかな?検討させてもらいたいんだけど…

僕はすぐに上司と相談し、ひとつひとつを確認しながら進めていった。

 

向こうの予算感は?パソコンのスペックは?納期は?,,,etc

初めて社会人として仕事をしている実感が湧いてきたのを覚えている。

そこからはトントン拍子で話が進み、無事に契約を頂けることとなった。(どうやらある程度買うことは決めていて、問題なければ即決する予定だったらしい。)

 

捺印いただいた契約書を貰う僕の手は震えていた。

 

上司
上司
新しい企業と取引できるのは本当に”価値が高い”頑張ったね。胸を張っていいよ。

取引金額としてはたいして大きな金額ではない。

それでも社内でも多くの人から『おめでとう!』と声をかけていただいた。

僕は素直に嬉しかった。

だが、本当の意味でこの仕事をして嬉しかったのはこの後だった。

お客さん
お客さん
(パソコンを)用意してもらってありがとう。助かったよ。キミから買ってよかった。しっかり使わせてもらうね。

何気ない当たり前の言葉だったかもしれない。

それでもこの言葉は僕の中では大きかった。

 

この仕事をしていて良かったと思った数少ない瞬間だった。

社会人になってもうすぐ1年目が終わろうとしていた時だった。

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▼この記事は僕の独立までの話の#3です。続きはこちら(全六話)▼
【第四話】自分のやりたい仕事とは何か?を考え始めた頃の話初めてお客さんから「ありがとう」という言葉をもらってから半年が過ぎ、社会人2年目の夏を迎えていた。 北海道の夏は本州と違って、湿気...
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札幌で活動するブロガー|新卒でIT企業に営業として入社▶札幌転勤▶仕事が原因で抑うつ状態になり退職▶独立| ブログ「なまら気まま」を運営|働き方で人生は180度変わると体験|人生に疲弊せず気ままに生きていく
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